レインズ(REINS)システムとは
システムの概要
- 正式名称:不動産流通標準情報システム
- 運営:国土交通大臣指定の不動産流通機構
- 目的:公平で透明性の高い不動産取引の実現
システムの流れ
- 売主が不動産会社(A社)と媒介契約を締結
- A社がレインズに物件情報を登録
- 他の不動産会社(B社、C社、D社)が物件情報を検索可能
- 購入検討者に幅広く情報が提供される
メリット
- 広範囲での物件情報の共有が可能
- 取引の透明性が確保される
- より多くの購入検討者にリーチできる
要注意!不適切な囲い込み営業
囲い込みとは
- 不動産会社が物件情報を独占し、他社との共有を制限する行為
- レインズへの登録を怠る、または情報を制限する
- 自社での取引のみを優先させる行為
なぜ違法なのか
- 宅地建物取引業法違反
- 公正な取引機会の損失
- 売主・買主双方の利益を損なう
見分け方
- レインズ登録を渋る
- 「自社で売れる」と過度な約束をする
- 他社との情報共有に消極的
仲介手数料の仕組み
両手仲介の場合
- 定義:1社が売主・買主双方の仲介を行う
- 手数料構造:
- 売主側:物件価格の3%+消費税
- 買主側:物件価格の3%+消費税
- 合計:6%+消費税を1社が受け取る
片手仲介の場合
- 定義:売主側と買主側で異なる不動産会社が仲介
- 手数料構造:
- 売主側の不動産会社:3%+消費税
- 買主側の不動産会社:3%+消費税
- それぞれの会社が独立して手数料を受け取る
不動産会社による囲い込みの
メリット(※違法行為です)
手数料の独占
- 両手仲介による6%の手数料を単独で獲得
- 他社との手数料分配が不要
- 売主・買主双方からの手数料確保
価格操作による利益
- 売主に対して市場価格より低い査定価格を提示
- 買主に対して高値で販売することによる差益の獲得
- 価格交渉の主導権確保
物件情報の独占
- 競合他社との競争を避けられる
- 自社の営業戦略に沿った販売活動が可能
- 物件情報を自社の集客ツールとして活用
業務効率
- 他社との調整業務が不要
- 物件情報管理の簡素化
- 内覧や案内の日程調整が容易
法的リスク
- 宅地建物取引業法違反
- 業務停止処分の可能性
- 免許取り消しのリスク
社会的リスク
- 会社の信用失墜
- 風評被害
- 業界からの信頼喪失
顧客に与える不利益
- 売主の売却機会の損失
- 買主の選択機会の制限
- 適正価格での取引機会の喪失
囲い込みによる売主の
具体的なデメリット
売却期間の長期化
- 限られた購入者にしか情報が届かない
- 市場価値の低下リスク
- 維持管理費用の継続的な発生
売却価格の低下
- 競争原理が働かない
- 買主の選択肢が限定される
- 適正価格での取引機会の損失